僕は、漫画が大好きだが生まれて初めて読んだ漫画がこの包丁人味平だ。
僕が最初手にとったのは中華料理屋の漫画コーナーから見つけた。

これは、1973年から連載をスタートしたらしく、僕が初めて手をとったのが小学校6年の時なので、
僕は1980年生まれなので、その時既に15年ほどたっており廃刊になっていた。
因みに昔は今と違い漫画が廃刊になると、全くどこでも手に入れる事は出来ないのだ。
今だと復刻版が出ているし、インターネットで簡単に買える。
僕が最初手にとったのは中華料理屋の漫画コーナーから見つけた。
ちょうど包丁試しとかが行われてて味平が一生懸命包丁の練習をしていた。
それでこの本が気になった僕は父親と古本屋を巡りようやく1〜4巻まで買ってきた。
途中の続きがなくなり、僕が続きを買ったのは、確か4年後の古本屋で見つけたものだと思う。
父親もハマったらしく相当楽しみに見ていた。
今だと料理漫画御法度の化学調味料や喫煙シーンもバンバンでてくる。

時代を感じさせる漫画である。
まず、この漫画の面白いところは料理勝負になると結構ガチなのである。
まるで本当に行われているかのような闘いが繰り広げられる。
今でいうとツッコミどころ満載なのだが、
そんな事して誰に何の得があるんだかよくわからない大勝負が連発する。
わかりやすくいうと仲代という料理人と主人公の味平が同じ職場にいて、仲が悪くなり包丁試しとなる。

この包丁試しとは、負けた料理人が料理界からの永久追放、勝負に逃げた者はどこの職場でも使えないのである。
しかも、もし包丁試しが行われるとなれば、全国の料理人がそれを見に来るのである。
てか、いちいち揉めて包丁試しに持ち込んだら凄く大変じゃないか?
と思うのだが当時小学校だった僕は、味平の世界観に引き込まれていった。
しかも、闘う題材が
・氷の白鳥の彫り物。
・アイスクリームの天ぷら
・キュウリの水面切り
と全く料理の味に無関係なものばかりである。
しかも、この包丁試しは仕掛けた方が勝負の題材を決める事が出来るという
不平等すぎるくらい不平等なルールなのである。
それでも流石味平なのだが勝ってしまうのだ。
しかし、当時この漫画を見た時、四条流だの宗家だのあまりにもリアルに描かれ過ぎていて本気で日本の料理界の恐ろしさを信じてしまったのである。
また、出てくる登場人物も何故か料理界の裏の顔を持っていて料理勝負の度に過去の様々な顔が浮き彫りになる。
包丁人味平は、最初は全く料理の味に関して関係ない話になっている。
料理修行に出た味平が全く理不尽な人物から意味不明な勝負をやらされる闘いとなる。
この包丁試しで仲代は負けて味平はこの理不尽な勝負に勝ったのだが全く報酬も何もない。
職も失い何もなくなってしまうのである(笑)
この勝負の意味はなんだったんだよ!!
と思わず言ってしまいたくなるが、当時は真剣に見ていたものである。
その他点心礼勝負や、闘六味など、まるで古代から行われてきたリアル感満載の勝負が行われる。
料理漫画はやはり対決が多いがこれほど大掛かりでリアル感満載の勝負は他の漫画では記憶にない。
船の上でマグロをさばいたり焼いたりもはや料理とは全く関係何を争うのかわからない闘いにまで発展している。
また後半では、カレーやラーメンなどを題材に闘うがこの頃から味平は当初の料理人の目標である
大衆が安い値段で美味しいものを作りたい!
という方向性になっていく。
その中のカレー対決で味平はカレーは人によって辛さが異なる為に誰が食べても旨いとはならない壁にぶち当たる。
しかし、味平は最終的にカレーを一種類で皆が旨いという方法を見つける。
それは、カレーは辛いからこそ美味しいという理論を当てはめ大成功した。
そんなこんなで味平は闘う訳だがこの漫画の最終回は、父親の塩見松造が作った鯛の活け造りを
日本料理嫌いの外国人が旨い!となった。
しかし、味平の作ったトンカツは外国人にはマズイという判定になった。
そういうわけで、、味平が外国人が食べても旨いという料理を作りたいとなり、船で料理修行に出て終わるというものである。
こう見ると味平は最後のラーメン勝負以外恐ろしい強さで料理勝負で勝った訳だが、
味平には、今のつけ麺のブームとなるタレーメンや、まさに大衆カレーのチェーン化の味平カレーなど、時代を先取りしたものが凄く多い。
そんな味平が航海から帰ってきて料理勝負をする姿がみたいものである。
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