僕は現在40代間近だが子供の頃肉というとステーキが主流だった。ところが現在肉というとほとんどが焼肉を想像するだろう。
肉好きの日本人が何故ステーキではなく焼肉を好むのか?
まずはその理由の3つをあげてみよう。
焼肉は色んな種類の肉を好きな焼き加減で焼ける。

焼肉は、肉の様々な部位を味わえる。
また、自分で焼くのでレアでもミディアムでも自分の好きなように焼けるのだ。
ここがかなり大きい。
例えばステーキでも焼き加減を調整する事は出来るが焼肉は自分が焼ける為好きなように焼けるのだ。
例えば経験あると思うのだがレアで注文すると本当に肉の刺身のようなものが出てくるケースなどがあり、生肉が嫌いな人には敬遠される。
面倒くさくない。肉だけ食べれる。
焼肉は注文してからすぐ出てくる。それなので本当に肉を食べたい人はいちいちステーキハウスなどで出てくるのが面倒くさいのだ。
自分の好きな肉の部位をガツガツ食べたい為肉を焼肉を食べたい人が多い。
女性が焼肉好きな人が多い。

女性とデートすると、ほとんどぶち当たるのが食べ物の好き嫌いだ。しかし、中にはもちろんいるが肉を嫌いな人はほとんどいない。
しかも、僕が子供の頃は焼肉屋ってガサツなイメージがあり、女性客はあまりいきたがらなかったが今は時代が変わり、むしろ、女性に大人気になった。
デートで焼肉屋を使うと例え牛が嫌いでも豚なら食べれたりするので好き嫌いの壁にぶち当たる確率は低い。
フランス料理だと、フォアグラとか食べれない女性が意外に多く、また、面倒くさいと思う女性も多いのだ。
焼肉は高級店も食べ放題も様々なお客のニーズに合わせ変えられるので非常に展開しやすいビジネスなのだ。
ステーキも高級店や大衆店があるが焼肉ほど数は多くない。
ステーキの何がダメなのか?
ステーキのダメというか衰退していってる理由というのは一番が一種類の肉という事だ。
最近では鉄板焼きというのが流行ってて海鮮や野菜と一緒にステーキを出すところが多い。
ロマンチックだし、女性にも受けがいいが若い人だと面倒くさがる人が多い。要は肉をたくさん食べたいのだ。
肉というものをたくさん食べたい人が多い。
それではステーキとは人気が出ないのか?

ステーキが人気出ない理由として高そうとか面倒くさそうという理由が多い。
それなので最近ブームのいきなりステーキなどはそこのツボを押さえてる。
いい肉を焼いてすぐ出す。自分の好きな量を好きな焼き加減で出すので肉を純粋に食べたい人はかなり良い。
好きな焼き加減で面倒くさくなくさっさとステーキが食べれる。
まあ、ランチは安いが普通に食べれば値段はそれなりだが肉を好きな人は嬉しいだろう。
ステーキは面倒くさくなく、値段が張らなければ人気になるというツボをついた店だ。
ステーキとは一体なんなのだろう?
僕はここから深く考えていきたい。
ステーキとは焼肉より厚い肉をただ焼くというのでそれなら焼肉の方が良い調理法ではないのかと思うがここで考えてもらいたいのは焼肉を焼くのは僕ら素人が焼くのだ。プロではないのだ。
叙々苑という日本で高級店とされる焼肉も自分で焼くのだ。
ところがステーキはプロが焼く。それなので焼き方で言えばステーキはプロなのだ。
それなので焼肉店で食中毒が出ることはあるがステーキ店で食中毒が出ることはない。
安全面ではステーキ店が上なのだがやはり手軽さと肉の種類で焼肉店の方が圧倒的に人気だ。
美味しんぼから考えた本物のステーキ。

では、ステーキはただ厚い一種類の肉を焼いただけのものになってしまうから人気がないという結論に達するのだが、僕の意見としてそもそも肉の焼き方に何種類もあること自体がステーキを人気でない原因にさせてるのだと思う。
僕が子供の頃美味しんぼ3巻の肉の旨みという巻でやっていたのだが、ステーキ焼きの名人の伝助さんという方が出てきてステーキを焼くというものだ。
ステーキのレアというものはレアは生肉ではダメで中までしっかり火が通ってないとダメだという素人がとても真似ができない料理法があった。
確かに今色んなステーキ屋にいくとレアだとこれに近いものが出てくる。
時代も進みその技術が進化したのだろう。
しかし、僕が思うに何種類も焼き方があり、ソースも何種類もあるから没個性的なステーキになってしまうのだ。
しかし、人間には好みがある以上一種類のステーキでは万人受けがしない為そうなるのだが、この伝助老人が焼いたステーキはまさにプロでしかできない技、秘技である。
そういうステーキはないのか?と僕はいつしか本物のステーキはこれだ!と子供ながらに思っていた。
僕が出会った衝撃的なステーキ。

僕はある時金澤に旅行に行く事になった。
そこで食べ物に詳しい友達からあるステーキ屋の情報を聞いた。そこは焼き方が一種類で他のコースも何もない。メニューすらないというのだ。
僕は長年理想としていたステーキについに会えるのではないか?と考えた。
まさに焼き方一種類の店である。
しかも、その店は予約制で相当予約を取るのが難しいという事だ。しかし、ラッキーなことに予約が取れた。
それで実際に行ってみた。
そのステーキ屋は金沢駅から外れにあった。
歩いて行くのは難しいのでバスかタクシーをオススメする。だいぶ外れにある。
なんかパッと見で掘建て小屋でなんか一杯居酒屋みたいな雰囲気だ。
僕が7時に予約をとっていたが6時45分頃中を見たらカウンター8席しかないのに全席が埋まっていた。
これは、ちょっとビックリする光景だ。考えてみてもらいたいが金沢は夜になるとほとんど灯が消える。しかも駅から離れるとほとんど暗闇になる。
そこでポツンとした掘建て小屋が満席になってるのだ。
しかも8席しかないのに。
これは驚いた。
そんなに旨いのだろうか???
僕は期待を胸にたった15分を待った。
そして店に入ったが中はコックの服装のマスターとおばさんの2人だけだった。
しかもそのおばさんは電話対応に追われていた。みた感じ夫婦でもなさそうだし、どういう関係かはわからないがそんな店で成り立っていた。
そしてすぐにサラダが運ばれてきた。

問答無用でうちは一種類しかメニューがないと言っていたとおりだった。
ライスすらないのである。これは、凄すぎる。飲み物は瓶ビール(スーパードライ)とハーフボトルのワインのみである。
それでステーキがでてきた。
席について10分である。僕は衝撃を受けた。まさに、これぞ僕の求めていたステーキだった。

肉は300グラムの鹿児島牛で分厚い。
しかし、レアで中に火が通っている。
旨い肉を良い焼き方で焼いたものだ。多分肉の旨みだけを純粋に味わってもらいたい為ライスがないのである。
凄い店だ。
中には高倉健とマスターが一緒にとった写真が飾られていた。
高倉健も好んだステーキらしい。
女性には少し量が多いが本物のステーキという意味ではここはまさに!という感じだ。
まさにレアなのだが中まで火がしっかり通っているプロの仕事だ!
何故他のステーキ屋はこのような形態の店がないのか?
このひよこの店主に聞いてみたが50年やっていて全国からあちこちから色んなお客がくるらしい。
だが、これは非常に有名にならないとできない。
また、値段も1人1万円とかなりの値段だ。また、これは、この店主が焼くから価値がでるのであって他の料理人がやっても集客は難しいだろう。
僕もこのステーキ屋に行ってわかったがこのステーキは万人が気にいるものではない。
中には中までしっかり焼いたステーキを好む者もいるし、もっと生焼けのステーキを好む人だっている。
この中まで温かいレアなステーキは必ずしも一般受けはされない。
だが、今回この僕が考えていた本物のステーキに出会い非常に感動した。
あなたももし行く機会があったら是非行ってもらいたい。
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